“ 古川: 普通に日常を生きていたら、小説なんか必要ない。テレビをつけて他人と話していたらそれで済むわけだから。わざわざ時間を確保して読む人、聴く人は、おかしい人たちなわけですよ。でも、小説や音楽がある瞬間に”力”を持つとしたら、例えば本当に戦争とかが起こった時です。砲撃で防空壕へ逃げ込んだ。震えるしかない。その時にもし文庫本が落っこちていたら、iPodがあって知らない曲が1000曲入っていたら幸せですよ。戦争の状況の時にこそ、初めて必要なものですよ。なのにわざわざ日常で本を読みたい、音楽を聴きたい、お金を払ってCDを買う、ライブ会場に来る人たちっていうのは、何か日常が戦争状態で、どこか追い詰められている。俺はその人たちに平和を与えるために書く、読むと思うんですね。そこはね、迷わない。迷わなくなったのはここ三年くらいですかね。
— 文藝2007年秋号 特集・古川日出男 対談 向井秀徳×古川日出男 戦争状態にいる人に平和をもたらすために

posted : Sunday, August 9th, 2009

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